laoshuaidamiのブログ

2011年2月から2016年5月までの北京生活と辺境を含む中国全土および周辺国への珍旅行の記録です。

2011年5月13日

中国の自動車メーカーについて

こちらに出張されて来られる方が一番多く目にし、多く質問されるのが当地で走っている車のことです。
 確かに私も最初に中国を訪れた際、日本の車を始めドイツ車、アメリカ車など、いわゆる外車が多く走っていることに驚き、何故にこんなにお金持ちがたくさんいるのだろうと疑問に思ったものです。
 しかし、中国で走っている車のほとんどは国産車です。中国での輸入車の割合は数パーセントに過ぎませんが、外国ブランドの車は70%を超えるとも言われています。つまり、外国ブランドの国産車が多く走っているということです。
これらの車は、外国企業が中国企業と合弁会社を設立し、そこで自社のブランドを付けて生産したものです。
何故かというと、中国の自動車産業はWTO加盟後も法律(外商投資方向の指導規定)により、外資の50%以上の出資が認められていません。このため、外国企業は中国企業と合弁で組まざるを得ないからなのです。
中国の自動車メーカーは現在100社以上あると言われていますが、そのなかでの大手は3社ないし4社と言われています。またそれ以外でも外資と合弁している主なメーカーは以下のとおりです(なお、経済の急速な発展により情勢がめまぐるしく変化しているため、本内容は変わることがあり得ます。)

中国メーカー 本社所在地 主な合弁先外資(カッコ内は合弁企業名)
第一汽車 大手 吉林省長春 VW(一汽大衆)、トヨタ・ダイハツ(一汽豊田)
上海汽車 大手 上海市 VW(上海大衆)、GM(上海通用)
東風汽車 大手 湖北省武漢 日産(東風日産)、ホンダ(東風本多)プジョー・シトロエン(東風雪鉄竜)
長安汽車 大手 重慶市 スズキ(長安鈴木)フォード(長安福特)
奇瑞汽車 大手~準大手 安徽省蕪湖市 無し
北京汽車 準大手 北京市 現代(北京現代)
広州汽車 準大手 広東省広州市 本田(広汽本田)トヨタ(広汽豊田)
 
トピックとしては以下のようなものがあります。
  ○ 北京のタクシーは、現在8~9割程度が「北京現代」、「一汽大衆」が少し、「東風雪鉄竜」をたまに見かけるという具合です。
  ○ 上海のタクシーは圧倒的に上海大衆のサンタナを多く見かけます。VWは、1984年に欧州の自動車メーカーとして初めて中国に進出し、中国側にも深く受け入れられています。
    中国では、「水を飲む人は井戸を掘った人の恩を忘れない。(喝水不忘挖井人)」ということが現代でもあるようです。
○ 広州本田はホンダの中国での生産の一大拠点となっていますが、昨年、部品工場で大規模なストライキが行っています。


 今度中国に来られた際には、後ろトランク上部のメーカー名の表示をよく観察されると、また新たな発見があるかもしれません。