laoshuaidamiのブログ

2011年2月から2016年5月までの北京生活と辺境を含む中国全土および周辺国への珍旅行の記録です。

2012年7月9日

中国の地震について

 当地北京に来られ、林立する高層ビル群を見られた方は、元々イメージしていた北京との違いに驚きの声を発せられるとともに、皆さん一様に口にされるのが、「北京には地震が無いのか?」ということです。
 確かに、私がこちらに来て地震による「揺れ」を感じたことは皆無で(私が鈍感なだけかも知れませんが)、偶に日本に一時帰国した折に、(関東地方で)頻繁に揺れることに違和感すら感じるようになっています。(少し前までは、そのことが当たり前に感じていましたが)
 
 しかしながら、中国全体で見ると地震多発国であり、記憶に新しいところでは、2008年5月12日に発生し死者約7万人の被害となった四川大地震、少し古いところでは1976年7月28日に発生し死者約24万人(公式発表、当時は文化大革命の真っ最中であり、非公式には死者60~80万人とも言われている)の被害となった唐山地震(※)があり、その他にも2010年の青海地震(死者約3千人)などがあります。
※ 「唐山大地震-想い続けた32年-」という映画が日本で2011年3月26日から公開予定であったが、「東日本大震災」のため公開延期となり、現在もなお公開されていない。

中国の大部分は、ユーラシアプレートに覆われていますが、東の太平洋プレート(日本の東側で接している)、南東のフィリピン海プレート、南西のインドプレートに囲まれています。
このなかで、インドプレートに接する西南・西部地域での地震、つまり「プレート間地震」が最も多く、四川大地震、青海地震などはこれにあたります。
次に多いのは北京を含む華北地域で、実際、華北平野の北西部に位置する山脈の東側に沿って、華北平原地震帯、燕山-渤海地震帯などの多くの地震帯が存在しています。
この地域はプレート間地震ではなく、「地殻内地震」と言われるプレート内部や表層部で発生する地震で、唐山地震はこれにあたります。
このように、日本と比較すればかなり低い確率ですが、北京でも地震が来ない保証が無いというのが答えです。


このような度々の地震を受け、政府は耐震基準を引き上げる等の対策を行ってきてはいますが、日本と同様、基準強化以前のものはどうしようもないのが現状です。
北京の市街地などでは、古いビルがどんどん取り壊され、新しいビルになっていますが、一歩郊外に出ると古いレンガ造りの建物が以前多く残っています。北京ですらこうなのですから、地方に行けば状況は図り知れます。
また、新しい建築物であっても、本当に厳密にそれが守られているかを確かめる手段もありません。外観は極めて美しく築年数も非常に浅いビルに入ってみると、漏水があったり、壁や床にひびが入っていたいりなどの光景はよく見かけます。
その点、当所のオフィスの入っているビルは、日本の野村不動産と中国企業の合弁会社によるもので、ビルそのものは20年以上経ちますが、そのメンテナンスの良さから、耐震性も信頼に足るものと考えられます。
昨今、当ビルの家賃が急激に跳ね上がり、予算的に非常に厳しい状態になっていますが、命の値段と比較すれば安いものだと思います。


有备无患=備えあれば憂いなし