laoshuaidamiのブログ

2011年2月から2016年5月までの北京生活と辺境を含む中国全土および周辺国への珍旅行の記録です。

2012年2月7日

再び中国の春節について

今年の春節休暇は、1月22日(日曜日)から始まり、1月28日(土曜日)に終了しました。(1月22日は大晦日=除夕、1月21日=土曜日と1月29日=日曜日は振替出勤日)
そして、2月6日の元宵節をもって、いわゆる松の内が終わり、正月ボケからの脱出となります。
 
この春節は、「農歴」と呼ばれる中国の旧暦の正月のことを指します。農歴と呼ばれるのは農村で多く使われているからで、必ずしも農作業のサイクルに合っているかれでは無いそうです(農作業に合っているのは新暦=太陽歴)。
しかし、農村ではこの暦に従うことが多いようで、例えば春節明けに実際に農作業を始めるのは元宵節からだそうです。
 昨年も述べましたが、中国の春節はその期間が長く、都市部の役所やオフィスでは上記のカレンダーどおりの出勤となりますが、農村部等地方では、基本的に旧暦12月23日(小年=新暦1月16日)から1月15日(元宵節=新暦2月6日)、長いところでは旧暦12月8日(臘八節=新暦1月1日)~1月31日(新暦2月21日)までを言います。
 事実「春運」と呼ばれる春節にともなう移動は、今年は1月8日(新暦)から始まり2月16日に終わると言われています。
 
余談ですが、小職が春節明けの2月1日に出したクリーニングは、「工人(従業員)がまだ帰ってきておらず作業できない」ということで返されて来ました。またその前の1月15日前後に出したクリーニングも「まだ洗っていない」とのことでした。
高級ホテルや外国人向けアパートなどでは、そんなことは無いでしょうが、一歩市井に近づけば、実態はこうなります。
 このように、この期間いろいろな面で不自由するのですが、それでもなおこの習慣が継続するのは、基本的に都市を根底から支えているのは、この農村からの出稼ぎ者だからです。春節期間中、日本では日本へ旅行する裕福な中国人が多く報道されていますが、これはまだ極一部です。
 
しかし、年始めの報道によると、「2011年末時点の中国の総人口(香港、マカオ、台湾、海外華僑を除く)は13億4,735万人(前年比644万人増)で、うち都市部人口は6億9,079万人、農村人口は6億5,656万人と都市部の人口が初めて農村部の人口を上回った。」とあります。
 また、別の報道によると「これまで北京に住む地方出身の非戸籍保有者に発行されていた『暫住証』が、年内にも『居住証』に切り替えられる。『暫定証』は地方出身者の人口管理にのみ利用され、公共サービスは満足な権利を保証していなかった。『居住証』への切り替えにより、北京市民と同じ待遇が認められるかどうかは未定。ただ、従来よりも受けられるサービスは充実するという。」とのことです。
 今後の経済動向により時期は変わってくるかとは思いますが、ここ数年で春節の形態は確実に、ともすれば一気に様変わりすることが予想されます。
 3年前に「海を見たことが無い。一度天津に行ってみたい。」と言っていた人が(北京~天津間は現在高速鉄道で40分弱、3年前は4時間近くかかった。)、今年の春節に「故郷で日本への旅行のためのパスポートを取る。いつ旅行に行けるか今は分からないが、いずれ近いうちに必ず行く。」と言っていたことを思い起こします。


変わりゆくものに寂しさを感じるのは歳のせいなのかもしれませんが、貴重なこの瞬間・景色を、目に、心に、しっかりと焼き付けておこうと思います。