laoshuaidamiのブログ

2011年2月から2016年5月までの北京生活と辺境を含む中国全土および周辺国への珍旅行の記録です。

2011年2月24日

<中国の春節>


2月3日から始まった春節は、2月17日の元宵節(YuanXioaJie)で一応の締め括りとなりました。18日以降、市内(ここ北京)での花火・爆竹は禁止されており、17日の夜は皆残った花火・爆竹を全て使いきるため、市内はあたかも(音だけの)市街戦(?)の様相を呈しました。
15日間に渡る(公休日は実質3日ですが慣例として)長い休みは終わりましたが、それでは完全に元に戻ったのかといえばそうとは言えない状況です。小職が日本に居た時に抱いた疑問は、何故そんなに正月が長いのか?ということでした。
居留証取得ため日本に帰ることができず今春節を当地で過ごした小職は、この理由が中国の雇用形態、特に都市部労働力の圧倒的な割合を占める農民工の雇用形態にあることが、市井の話で薄々分かってきました。
農民工は、日本で言ういわゆる「出稼ぎ労働者」ですが、元々中国の雇用形態が短期であることに加え、農民工の雇用は更に短期間となる場合が多くあります。そして、その雇用の区切りが正しく春節なのです。つまり春節後、都市に戻ってまた仕事を始めるのは「仕事に戻る」のではなく、「新たな仕事に就く」ということになります。別の言い方をすれば、春節で故郷に帰るのは、日本で言う「帰省」ではなく「帰郷」なのです。
故郷・家族と離れて辛い仕事に耐え、春節でやっと故郷に帰る。故郷で心と体を休め、充実したら、また都市に来て仕事を探し、始める。そんな風にイメージしていただければよいかと思います。今の中国を本当に支えているのは、この「春節」というささやかな楽しみを長く心待ちにしているこの多くの人達です。
以上のように、春節は中国では特別の意味を持つ休日です。日本の正月とは多少次期がずれるため、なかなか理解しづらい面もありますが、業務上においては十分に配慮する必要があると考えます。
私たちだって、少し昔までは正月を長く心待ちにしていた時期があったような気がします…。